11.海洋空間高度利用技術、環境対応型技術等に関する研究テーマ

研究の目的・背景

海洋空間を高度に有効活用することは海洋国日本にとって極めて重要なことであり、これを実現するための技術は、未来に向けた我が国経済の活性化のためにも不可欠な要素である。しかし、日本周辺の海域は水深が深く、さらに世界で最も厳しい気象条件下にあり、海洋空間を高度利用するためには、これらの障害を克服する技術開発が必要となる。

研究の概要

陸上における廃棄物最終処分場の確保は、飲用水となる地下水汚染等が懸念されるために困難な状況にあり、大規模な処分場用地は海面に求めざるを得なくなっている。その結果、大都市前面の海域に広大な土地を造成することとなるため、海面処分場の長期安定性の評価技術の向上が必要である。さらに、環境負荷の低減は、21世紀の豊かで安全・安心な国土形成のために不可欠であり、港湾・空港・海岸の整備事業においてもリサイクル技術の開発が重要である。

本研究テーマは3つのサブテーマで構成されている。

  1. 海洋空間の有効利用に関する技術開発
  2. 廃棄物海面処分場の長期安定性の評価および活用に関する技術開発
  3. リサイクル技術の推進による環境負荷低減に関する技術開発

2010年度の活動

極大波浪の特性に関する研究では、200m 以浅の大陸棚上に建設される海洋プラットフォームに作用する波浪は、周期14s を超えるうねり性波浪に対しては浅海波であることに鑑み、深海域から極浅海域へと伝播するうねり性波浪を対象とした断面実験を実施した。特に、これまでの研究により、周期の長いうねり性波浪のスペクトルは尖鋭度、方向集中度ともに大きく、深海域でフリークウェーブが発生しやすいことがわかっている。そこで、浅海域及び極浅海域におけるこれらの波浪の挙動及び観測される波浪諸元等について検討を行い、kh=1.36 程度よりも浅い浅海域では、浅水変形に伴う2次の非線形干渉が卓越し、ひずみ度μ3、先鋭度μ4 がある関係性を持ってともに増加することを確認した(下図)。

画像1
(a)一様水深地形(深海域)

画像2
(b)一様勾配斜面地形

ひずみ度μ3 と先鋭度μ4 との関係

写真1
廃棄物海面処分場の遮水工

廃棄物海面処分場の遮水工の品質管理手法に関する研究では、施工管理情報を品質管理情報に役立てるためのデータ処理技術を検討した。廃棄物海面処分場の遮水工について、打設速度の変化やバイブロハンマーの電流値と、遮水ゴム内のモニタリング電線の絶縁抵抗(ゴムの損傷を反映)との関連などの相関を調べた。また、浚渫土を活用したリサイクル地盤材料の再利用に関する研究では、気泡を含まないセメント固化処理土について、条件を変化させて試験を行った。

 

ページの先頭へ戻る